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お金のかからない働き方改革のススメ

はじめに

従業員の本当の作業時間を把握していますか?

2020年4月から、中小企業でも残業時間の上限規制が始まります。
具体的な上限としては、下記のとおりです。

  • 45時間/月
  • 360時間/年(月平均で30時間)

ただし、との協定により、下記までの緩和されます。

  • 720時間/年(月平均で60時間)
  • 休日労働を含む、2か月平均~6か月平均の残業時間が80時間
    • 気を付けないといけないのは、年度が変わってもリセットされないことです。
      例えば、3月と4月の平均残業時間が80時間を超えるとアウトです。
      これを回避するためには、まずはひと月でも残業時間が80時間を超えないことが大事です。
      超えてしまった場合は何が何でも次の月は残業時間を抑えないといけません。
  • 休日労働を含む、月の100時間未満
  • 【重要】ただし、月の残業時間が45時間を超えられるのは、12か月中6か月のみ、です。
    • 年や年度によってリセットされないため、ご注意ください。

上記は、厚生労働省のサイトに詳細があります。
他にも厚生労働省のサイトでは、中小企業の成功事例集もあります。

つまり、2020年の4月から、これまで以上に従業員の残業時間、ひいては就業時間を厳密に管理していかなければなりません。

ただし、管理にだけ注力すると、量が変わらないのに残業を減らすなんて無理だ、というような現場からの不満やそれを隠すように残業が横行してしまう、最悪それにより社会的な罰則を受ける可能性もでてきます

管理するのはもちろん大事ですが、そもそもの残業時間が法定上限内に収まっていないのであれば、残業時間を減らす経営努力が必要になります。

そこでおススメしたいのが下記の本です。

まず読むべき最高の1冊

社員の力で最高のチームをつくるposted with ヨメレバ星野 佳路/ケン・ブランチャード ダイヤモンド社 2017年02月24日 楽天ブックスAmazon7net

なぜこの本なのか。
それは、に望む今の状況に対して、この本に書いてある、星野リゾートが進化する前の一だったころに、星野佳路さんが実際に行ったことが、突破口であり解答になると信じているからです。

では、次から書いていきたいと思います。

経営と現場が一体になることが一番大事

”知る”ことから”経営者意識”へ

本の中で、星野さんが旅館を継いで感じたことは、社員が現状を知る仕組みが無いことでした。板前は、お客様は料理に満足している、と言うが、そうではないと漠然と感じていて、それがはっきりと見えてこない、という状況です。

そこからまずアンケートを取り、お客様が思っていることを板前に伝えたところ、板前はそれを理解し、改善に向かっていきました。

解決のためには、問題が、数字や文字ではっきり見え、理解できる形になることが、最低条件です。
そして、それを従業員全員で共有することが大事なのです。
従業員全員が規模的に大きいのであれば、担当する部署でも構いません。

問題があることを認識し、解決することで会社に良い効果をもたらす、そしてそれがひいては自分の利益につながると理解できれば、人は当事者意識をもって問題に取り組むようになります。
そうして、問題の解決および会社の変化、自分への還元を感じることで、次は経営者意識が生まれます。
程度によっては問題になることもありますが、経営者の目線をもってを行うことは、どの規模の組織においても大事です。

思いの共有

もう1冊ご紹介したい本があります。

岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。posted with ヨメレバほぼ日刊イトイ新聞/糸井重里 ほぼ日 2019年07月 楽天ブックスAmazon7net

糸井重里さんのサイト、ほぼ日刊イトイ新聞にて一部無料公開されており、その無料公開分でも十二分に価値のある、素晴らしい一冊です。

この本を紹介した意図は、経営者の思いを伝えるということは非常に難しいことだということと、それに見合ったリターンがあること、です。

この本の中で語られる、岩田さんの行動の一つに、社員全員と面談した、それも一方的に話すのではなく、必ず自分の思いが伝わるまで話した、という逸話が書かれています。

このとき、岩田さんは数十億もある会社の社長を任され、おそらく他に類を見ないほど追い詰められていたことと思います。

しかし、そんな窮地を救ったのは、やはり従業員の皆さんであり、岩田さんの友人方でした。

糸井さんなど、みなさんが岩田さんとの思い出を語るお話も書かれており、岩田さんの人柄がとてもよく表現されている本です。

いついかなるときも、結局最後は人通しのつながりが、窮地を救うのだと思います。

働き方改革で、残業を減らさないといけませんが、そもそも残業せず、利益をあげられて、働く人のやる気に満ちた企業が理想なのは疑う余地もないと思います。

私はこれを読んでとても共感しました。
私ははじめにでも記載しているように、一社員であり、経営者ではありません。
しかし、プロジェクトマネージャーとして、数十人を指揮した経験があります。
そして、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを運営するにあたって、常々思うことは、自分の思いを伝えることは難しい、ということです。
品質やスケジュールに対する考え方、システム設計時に何を第一に設計するのか、プログラムはどうあるべきか、数え始めたらきりがありませんが、一つ一つに自分の理想があり、それを伝えるための努力は常に行ってきました。
プロジェクト管理計画書として明記し、各と読み合わせたり、進捗会議や時に何度も伝え、事あるごとに言い含めても、人の根底はそう変わりません。

これを読んでいるあなたも同じような経験があると思います。

しかし、自分の意図が伝わり、その思いとともに仕事が進むようになると、どんなに難しいプロジェクトでもうまく進むようになります。
なぜなら、自分にはそのプロジェクトを達成させるために道筋が見えていて、その道筋を、プロジェクトメンバーが歩き始めたからです。
さらには、自分の思いが根底にありながら、メンバーが独自にそれを実現するためのアイディアを発案し始めると、そのプロジェクトは無敵です。
お客様も巻き込み、不思議な推進力をもって、見事に完了されるでしょう。

働き方改革や残業時間の法定上限への順守という問題を解決するプロジェクトに参加する人が、あなたの思いを共有し、その道筋に沿ってアイディアを出せるように、なるべく早くメンバーと思いを共有することは、必須と言っていいです。

まとめ

さて、のかからない働き方改革のススメとして、いろいろ書きましたが、端的に言えば下記の通りです。

  • 問題を数値や文字で明確にする
  • 問題解決により、会社がよくなり、自分に還元させることを認識してもらう
  • みんなが自発的に、モチベーション高く仕事をするために、あなたの思いを共有する

これだけで高価なツールやデータ分析ツールを導入するより、よっぽど効果があります。
RPAツールやデータ分析ツールは、現場で問題解決の一つの要素として、責任もって担当したい者が現れてからでも遅くはありません。

まずは、人という最高のリソースが、最高のパフォーマンスを発揮できるように、下準備をしてあげるのが一番コストパフォーマンスが高いと思います。

この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。